↑ カムナガラノミチウタの一例



カタカムナの人種の考察についで、文字、言語という観点からも考察してみましょう。

日本の古代には文字は無く、口頭で伝えてコミュニケーションしていたという説が主流です。日本最古の書物とされる古事記は、稗田阿礼が天武天皇の令で暗唱した神話などを、太安万侶が元明天皇の命により編纂した文書といわれています。またその完全完成には大変な時間がかかり、奈良時代(712年 / 和銅5年)にまで及んだとされています。
(稗田阿礼はその仕事の後に暗殺されています。為政者にとって何らかの問題があったと推測されます。)

一般論に沿って説明しますと、「日本語には文字がなかったため、中国の文字である漢字を使用して日本語の音を表記した」ということになっています。「はるくさのはじめのとし」を「皮留久佐乃皮斯米之刀斯」というように、漢字の音感を利用して日本語表記したものが万葉仮名と呼ばれ、それが日本文字である仮名の成立のベースになったというのが通説です。
古事記においても本文は変体漢文となっており、漢文で表示しにくいものは万葉仮名のように一字一音表記です。歌謡に関しては完全に一字一音表記です。これは当時、文字の有無はともかく、日本語という言語そのものはすでに存在していたということになります。

その冒頭には「帝紀を撰録(せんろく)し、旧辞を討覈(とうかく)して、偽りを削り実を定めて、後葉に流(つた)へむと欲(おも)ふ」という天武天皇による序文があります。これによりますと古事記成立以前に帝紀、旧辞といった書物が存在したことになります。ですから、この古事記の成立には当時の政治力により恣意的な要素が加わって編纂された可能性が高いことが多方面から指摘されています。天皇と土着の祭神を結びつけ、天皇の権力の正統性を証明しようとしたという背景があったと思われるのです。

その土着の祭神とされているのが、古事記や様々な古史古伝などに登場する様々な神々です。
イザナギ、イザナミ、トキトコロトコタチ、アマテラスなど…
これらは現在でも神々の名前とされ、神社などにも祭られていますね。
カタカムナ文献にも同様の名称が登場しますが、神名などとしては取り扱われていません。一貫してある種の物理用語として一定のルールの元に展開されています。
例えば物理に明るい方ならば、「電子の粒子性と波動性」という概念はご存知だと思います。また「時間と空間の同質性」という概念もご存知だと思います。そういった知識のある方が、この「イザナギ、イザナミ」「トキトコロトコタチ」という言葉を耳にしたならば、何かしら感じるところがあるのではないでしょうか?
私の場合はそうでした。 しかし、そういった知識の無い人が耳にした場合はどうでしょう?
謎の呪文か?神様の名前か? よく分からないことは考古学、歴史学などの場合、たいていそういうところに落ち着くのですが、おそらく当時の為政者達(大陸からの移民)もそうではなかったのでしょうか?
別の文化圏へ侵略したものの、植民地統制に必要なその文化背景の理解が全くできなかったために四苦八苦した結果が、古事記の編纂だったのではないか…という推測も成り立ちます。それは前述の「天皇と土着の祭神を結びつけ、天皇の権力の正統性を証明しようとした…」という定説とも矛盾しません。




仮名の成立や、仮名が使われた経緯や事情についても非常に興味深い学説があります。
平安時代に女流作家が活躍したのは仮名が使われたためであるということは良く知られていますが、実は仮名は市井の人々が使う下賤なものであったとする説もあるのです。高貴な人々、つまり大陸からの侵略者は母国語である漢文を使用していたため、下賤な仮名を使用したがる子女のやんちゃなふるまいに憂慮していたというのです。つまり当時の流行作家達の作品は、大衆に目を向けたある種の新しい潮流であり、親以前の世代に反発した作風で自己主張していたと見られるのです。そのための道具が「カナ」であったということなのです。「カナ」が表す原日本語には当時そういった人々を惹き付ける何か特別な魅力があったのでしょうか?

また仮名の成立時期についても定説は次々と覆っています。年代測定の精度も上がり、新たな遺物が見つかる度にその年代は遡っているのです。定説をそのま鵜のみにすることは大変危険なことのようです。
一説には片仮名を作ったのは、奈良時代の学者、吉備真備と言われていますが、その吉備真備の伝説には興味深いものがあります。
吉備真備は、唐から袁晋卿(浄村宿禰)という音韻学という学問に長けた少年を連れて帰還したそうですが、藤原長親によりますと、実はこの浄村宿禰という人物が、呉音だった漢字の読み方を漢音に改めようと片仮名(カタカナ)を作ったというのです。
この唐の話は伝説ですので、日本で神獣とされていた九尾の狐が同船していた…などの荒唐無稽な話も混在しているのですが、話の凡その筋を読みとってみれば、吉備真備はある時期、どこか離れたところ(鬼の住処といわれた場所)に連れていかれて幽閉された。そしてそこで何者かに救われ、言葉の音声解読に長けた人物を連れ帰って、カタカナを普及させた…ということのようです。
また吉備真備が持ち帰った聖典が「陰陽道」の秘伝書となり、それが希代の陰陽師として有名な安倍晴明に伝わったとも言われています。言い伝えられている安倍晴明の活躍物語では、仇役とされる蘆屋道満は邪道とされ、政権側に付いている安倍晴明が正義とされていますが、昔話においては、しばしば為政者に都合の悪い存在は、鬼、妖怪などの類いとして扱われていることがあります。元々陰陽道の聖典が鬼の持ち物であるのならば、蘆屋道満こそが、その聖典の正当な継承者であることになります。
カタカムナ文献には、その蘆屋道満に酷似した「アシアトウアン」という人物名ともとれる文字列があります。
楢崎氏によれば、楢崎氏にカタカムナ文献を筆写させたサンカらしき人物(平十字氏)は、「アシアトウアン」という一族の英雄の活躍について語ったそうです。
また現在でも海女や猟師などの間では、蘆屋道満由来のお守りを安全のために身につける風習があります。
果たして本当に蘆屋道満は戯曲のストーリー通りの悪人だったのでしょうか?

しばしばカタカムナ文献は、その原本が無いことが偽書の証拠と言われることがあります。
しかしほとんどの日本人が日本の原典として認識している古事記にも実は原本はありません。写本がいくつか存在しているのみです。ですから、この点においては様々な異本が残るカタカムナ文献ともあまり大きな違いはないのです。違いがあるとすれば、権威が後押ししているか、市井の存在であるか…の違いです。

これらのことを前提とするならば、原日本語の存在について、次のようなことが推測できます。
某かの書物が古事記以前に存在していたこと。征服者である為政者サイドの高い身分の者達は漢字を常用し、下賤とされた被征服者達は「カナ」を使って原日本語を常用していたこと。そして被征服者のある人々は、征服者達が恐れる何か特別な能力、知識などを有していた…ということです。
為政者は漢字常用者、つまり漢文で会話をしていたとすれば、古事記の意味は分からず、そのために日本書紀(漢文表記)を勅撰の正史として作ったと考えることも可能ですね…。

カタカムナは、その形状や推測される音読の状況から、カタカナの原典とみることができるというのが、楢崎氏の見解です。また楢崎氏は、漢字文化の流入と先住民支配の経緯から、オリジナルの日本文字(カタカムナ)が漢字に置き換えられたが、支配層以外の一般人達は、変型しながらも原日本文字を背景に持つ日本語(カタカムナ)を使い続けたのではないか?と推測しています。

私見ですが、仮名関連の言葉に「真名仮名」という言葉があります。
漢字の意味合いで言えば、「真名」は真の文字で、漢字を意味し、「仮名」は仮の文字で、カナを意味します。この当て字ならば、当時の為政者達はプライドが満たされて納得したことでしょう…。
ところがカタカムナを知る立場からしますと、これらの意味は逆なのではないかと推測してしまいます。
カタカムナではしばしば抽象化による省略形が用いられます。「マナ」は「アマナ」、「カナ」は「カムナ」です。「アマ」の源泉は「カム」とされていますから、この規則からしますと、まず仮名があって、その上で漢字があるということになります。いかにもカタカムナの人々らしい知恵だと思います。虐げられてもなお、その民族の意志を残したのです。相手の無知をうまく利用したのでしょうね。

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カタカムナ文献 その信憑性についての考察 3 へ続く

 

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カタカムナ文献 その信憑性についての考察 1

 

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